「不思議の国のアリス」。1865年にイギリスの作家ルイス・キャロルによって書かれた児童小説です。日本でもさまざまな形で翻訳されたり映画化されたりと、時代をこえて愛される名作の一つです。
今回は、この小説に登場する数々の動物キャラクターについてまとめてみましたのでご紹介します。
どの動物もアリスに夢を与え、人々をファンタジーの世界へ導いた伝説の動物たちですよ。
「不思議の国のアリス」ストーリー
少女アリスは、白ウサギを追いかけて不思議の国に迷い込んでしまった。
そこには人間のように話すウサギや、ニヤニヤしている猫、タバコを吹かしている芋虫、おまけに動くトランプがいたり、何とも不思議な世界だった。
わけわからない世界に来てしまったアリスは泣きはらし、その涙は海になって鳥たちはびしょぬれになってしまうほど。
おまけに、食べ物のせいで自分の背丈も大きくなったり小さくなったり。でも好奇心旺盛のアリスは冒険が楽しくてやめられない。
怖い経験もたくさんした。ハートの女王は気にいらないことがあるとすぐに「首をはねろ!」と命令する。
女王のタルトを盗んだ裁判で証人として呼び出された時も、その馬鹿げたやり方を非難すると大勢のトランプたちがアリスに襲いかかり首をはねようとする。
アリスが驚いて悲鳴を上げた次の瞬間アリスは目が覚めた・・・
アリスは事の顛末を一生懸命姉に話すのだった。
「不思議の国のアリス」に登場する動物キャラクター
白ウサギ
アリスが不思議の国に迷い込むきっかけになったウサギ。
アリスが姉と一緒に川辺に座っているときに、懐中時計を取り出して「大変だ、遅刻する」と言いながらアリスの目の前を横切ったため、アリスはウサギを追いかけてウサギ穴に落ちた。
その後もたびたび登場し、「不思議の国のアリス」の象徴的なキャラクターとなっている。
ネズミ
ネズミが泳いでいる場所は、アリスの涙で出来た池。
アリスが飼っている猫や犬の話を怖がって逃げ出してしまうこともしばしば。
池を上がってから体を乾かすためと称してウィリアム征服王に関するうんちくを披露したり、なぜネズミが猫を怖がるようになったかという長い「尾話 (tale)」を始める。
ダイナ(猫)
アリスが可愛がっている飼い猫。鳥獣たちに、いかにダイナが狩猟の天才であることを話して聞かせたため鳥獣たちを不機嫌にさせた。
続編の「鏡の国のアリス」では、キティ(黒猫)とスノードロップ(白猫)の母猫として再登場している。
鳥獣たち
- ダック(アヒル)
- ローリー(オウム)
- イーグレット(子ワシ)
これらの鳥獣たちは、みなアリスの涙の池で溺れた動物たち。みんなで体を乾かす方法を話し合っている。
ドードー鳥
鳥獣たちの仲間にいた「ドードー鳥」は、体を乾かすために30分ほど丸いトラックを走り続ける「コーカスレース」を提案。無事に体が乾いたとか。
「ドードー鳥」は、小説の作者であるルイス・キャロルことチャールズ・ドジソンが、時々自分の名前を「ド、ド、ドジソン」と吃ることから、自身をモデルにしたとされている。
画像: フリー百科事典『ウィキペディア』
ビル(トカゲ)
時計ウサギの家の中で大きくなってしまったアリスを追い出すために、白ウサギによって煙突から家に入れられるが、アリスに蹴られて伸びてしまう。
モルモット
アリスに蹴られて伸びてしまったビル(トカゲ)を介抱する。
パピー(子犬)
アリスが小さくなって逃げた、白ウサギの庭で出会った子犬。作品に出てくる動物の中で、唯一言葉を発しないキャラクター。
キャタピラー(青い芋虫)
アリスが子犬と遊んだ後に森の中で出会った。
アリスが自分の背より少し大きいキノコがあったので覗いたところ、こには水煙管(みずぎせる)を吹かす大きな青虫が座っていた。
元の背丈に戻りたいというアリスに対し、「こちら側を食べれば背が伸びる。そちら側を食べれば縮む。」と言い残したが、キノコのどこが「こちら側」でどこが「そちら側」なのかアリスにはよく分からなかった。
ハト
青い芋虫に出会った森の高い木にいる。背が高くなっているアリスに見つけられてしまい、「ヘビから卵を守るために高い木を探したのに!」と怒り出す。
フットマン(魚・蛙)
- 魚頭のフットマン:ハートの女王の召使い
- 蛙頭のフットマン:公爵夫人の召使い
蛙頭のフットマンは、魚頭のフットマンから受け取ったクロケットの招待状を公爵夫人に届けた。
ブタ(公爵夫人の赤ちゃん)
公爵夫人の赤ちゃんはアリスがやってきたときからずっと泣いているが、泣き声が何故か「ブーブー」と豚のような声だった。
クロケットゲームに行ってしまった公爵夫人のかわりにアリスが赤ん坊の子守をしていたが、いつのまにか仔豚になって森の中に行ってしまった。
チェシャ猫
常にニヤニヤ笑いを浮かべている猫。自由自在に体を出没させることができる。「不思議の国のアリス」の象徴的存在。
クロケット場にも現れたが、首から上の頭だけ(顔だけ?)で現れてハートの女王たちを翻弄する。すぐに首を刎ねたがる女王も、首が無いのではどうしようも無かった。
チェシャ猫のモデルは「ブリティッシュショートヘアー」説が濃厚。
画像: フリー百科事典『ウィキペディア』
三月ウサギ
自宅の前で帽子屋、ヤマネとともに毎日にように狂ったお茶会を開いているノウサギ。チェシャ猫からも「気が狂っている」と言われている。
アリスもお茶会に招かれたが全然楽しくないと席を立ってしまった。
「三月ウサギ」という名前は、ウサギの発情期が「三月」で、雄のウサギが落ち着かない行動を取ることから付けられた。
ヤマネ(ネズミ)
『狂ったお茶会』で三月ウサギ、帽子屋と共に登場する、いつも眠たそうにしているネズミ。
眠っている間は、三月ウサギと帽子屋にクッションとして使われていた。
名前の由来は、ヤマネが冬眠時間が長い動物であること。
フラミンゴ・ハリネズミ
フラミンゴ:ハートの女王主催で行われるクロケットゲームの木槌役にさせられている
ハリネズミ:クロケットゲームのボール役(画像右下)。最後には逃げ出してしまう。
グリフォン・代用ウミガメ
グリフォン:伝説上の生物。体の上部は鷲、下部はライオン。ハート女王に命じられてアリスを代用ウミガメの所へ連れてゆく。
代用ウミガメ:頭は牛、後ろ脚、尻尾をつけている。昔、本物のウミガメだった頃に経験した話をアリスに聞かせる。「子だらの歌」「ウミガメのスープ」の歌も披露。
二人とも気さくで涙もろい性格。
画像: フリー百科事典『ウィキペディア』
ロブスター
代用ウミガメとグリフォンがアリスに教えた「ロブスターのカドリールおどり」の中で踊っているロブスター(オマール海老)。
最後に
今回は、「不思議の国のアリス」に登場する動物キャラクターまとめと題してご紹介しました。
『動物の擬人化』私は大好きです。そもそも動物って言葉は発しないけど思ってることは人間と変わらないんじゃないかって思うから。
この物語は「言葉遊び」や「韻を踏む」などで評価されているようですが、その部分にあまり固執することなく単純に「空想とファンタジー」の世界を楽しむのがいいと思います。
大人の「常識」で読み解くより子供の感性で読むほうが数倍楽しい本ですよ。
日本でも数え切れないくらい翻訳されていますが、わかりやすく、かつ言葉遊びを残しているという点で、是非この本でお楽しみください。
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